いち丸

図の研究。アート。ドイツ生活。飴細工。
<< 六次だった隔たり | main | モホリ=ナジの教え >>
カフェでの瞑想
0
    その人との出会いはどこだったのだろう。いつからか、私たちは、喫茶店で一緒に絵を描くようになった。

    その人は、オーストリアの大学の先生で、本を執筆するために、一年の休暇をとり、ベルリンに滞在していると言った。夜は執筆をし、昼はベルリンの大学の授業を聴講している。授業が終わると、私たちのアトリエである喫茶店へやってくる。2メートル以上もの大きな紙を少しずつ広げながら、スケッチをしている。

    彼は一日に5時間も絵の制作にあてている。
    ほんとうのことを言うと、私は彼が何を描いているのか長い間理解しなかった。人物の顔と目と耳が重なりあって描かれていて、それが時間と動きをあらわしているのはわかったが、なにしろ彼の描き方ときたら、全体を見ることなく30センチずつ紙を広げながら、インクをバチャバチャ落とし、ためらいなく、ペンを動かすのである。


    ペンは自作。

    ある日彼は言った。彼にとってスケッチは瞑想なのだと。
    大切なのは結果(絵)でなく、描いている時間と思考なのだと。

    描きながら彼は、線と面の違いとか、動きと時間とか、そんな話をする。
    彼にとって、作品とは、思考の結晶だったのだ。

    下は、私が瞑想中にかいたクレヨン画。
    JUGEMテーマ:アート・デザイン
    | 作家たち | 08:50 | comments(2) | trackbacks(0) |
    コメント
    人生においても、大切な事は「結果」ではなく「プロセス」なんだよね。
    ゴリさんの素朴で美しいクレヨン画に、ウットリ。
    | ARI | 2011/04/05 12:46 PM |
    そうなのかもねえ‥一瞬一瞬の判断の蓄積が、一枚の絵であり、また、今の自分だったりするんだね‥
    | いち丸 | 2011/04/08 5:30 PM |
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog2.1-maru.com/trackback/1170006
    トラックバック
    CALENDAR
    S M T W T F S
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << April 2018 >>
    SELECTED ENTRIES
    CATEGORIES
    ARCHIVES
    RECENT COMMENT
    モバイル
    qrcode
    LINKS
    PROFILE