いち丸

図の研究。アート。ドイツ生活。飴細工。
月の模様の寿司屋の暖簾
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    それは、粋で風流なデザインだったそうである。

    ジュンは、私が働くベルリンの寿司屋の先輩である。

    去年、ジュンは一枚の暖簾を手にいれた。
    夜空に月。シンプルな図柄。
    客よ、来い来いと、店の入り口にかけたのだそうだ。

    しかし客の入りはさっぱり。
    しばらくして、わかったことは、ドイツでは濃い地色に丸い月というのは、魔女狩りを意味する印だったそうである。客は気味悪がって来なかったそうである。





    下は、暖簾とは関係ないが、私の失敗制作。月に水滴というかっこいいモチーフがこんなに不気味になってしまった。

    | 図形 | 16:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
    星空暗記法で空間を把握する
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      かみのけ座

      星座に興味を持ち始めたのは、大人になってからである。
      子供の頃は、好きではなかった。獅子座とかさそり座とか言っても、こじつけとしか思えず、とても夜空にそのようなイメージが浮かばなかったからである。

      歴史の本をひもとくと、紀元前3000年の昔、チグリス、ユーフラテスのほとりに住む牧羊の民カルデア人たちが、毎晩星をながめながら、話を紡いでいったのが、始まりとされている。正確な地図などなかった時代、唯一確かなものは星空だったのだろう。生活のために星の位置を覚えなければならなかったのだろう。オオグマ座のシッポに星が3個、体に4個・・というのはこじつけだけれど覚えやすい。それにともなって作られたオオグマ座、子グマ座の伝説もとてもおもしろい。

      さて、この気になる「かみのけ座」。毛もくじゃらの怪物のように見える。私が星座の物語を作るのであれば、この怪物が大活躍するような話にするのに!しかし調べてみると、大変美しい伝説が残っている事がわかる。
      紀元前243年ごろ、戦争に行ったプトレマイオス3世王の無事を祈った妻ベレニケの髪の毛なのだそうである。

      古代からの人々の想像力と歴史の蓄積にはかなわないなあと思いつつ、私は、この記憶法を現代にも使えないものかと検討してみた。


      これは、私が考えた星座「ラーメンモンスター座」である。ラーメンを食べ散らかし渋谷の街を荒らしたので、神の怒りにふれ、永遠に地上に降りて休むことを許されず星座になってしまったのである。
      ちなみにこの図は

      渋谷のラーメンマップ(星のマークがラーメン屋)をもとに作られた。渋谷のラーメン屋の位置をつなぎあわせて、作ったのである。
      どうだろう?このように星座暗記法は現代でもかなり有効ではないだろうか。
      | 図形 | 19:50 | comments(6) | trackbacks(0) |
      蟻の世界の等高線
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        尖った山をてっぺんから描いて高さを表す。とても深い海を空から描いて深さを描く。
        人里離れたアルプスの山奥や、水で覆われた海の奥底まで等高線が繊細に描かれた地図を見ると、自分が知っていることなどほんの小さな事なのだと、気付かされます。
        もうすべて知り尽くされているのだなあ。
        自分も等高線を描きたいなあ。

        そんなことを思いながら、蟻になった気分で、身近なものの等高線をひいてみる。



        | 図形 | 03:47 | comments(0) | trackbacks(0) |
        水の図
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          私は、イスラム建築のタイルの模様を参考にしながら、水の図を描こうとしていました。

          5枚のタイルを並べて作る「ギリー」とよばれるその模様は、単純な要素しか用いられていないものの、2度と同じパターンは現れない数学的に不思議な模様です。
          タイルをつなぎあわせていく作業はとても楽しいものでした。

          ふと私は水の研究者のS氏の言葉を思い出しました。
          「実は純粋な水などあまりなくて、水にはいろいろなものがくっついているのだ。水の定義とは・・とても難しいのだ」

          頭の中に、美しい水の分子構造が浮かんでいた私ですが、何か異分子をくみこまないといけないとふと思いました。
          2日間、幾何学模様を作っていた私ですが、気がつくと、海獣の絵を描いていました。



          | 図形 | 02:32 | comments(2) | trackbacks(0) |
          「蛇とはしご」双六
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            ドイツの1ユーロショップで買った「蛇と梯子」ゲーム


            日本のダイソーで買った「蛇と梯子」ゲーム

            「蛇と梯子」という双六を知っていますか。
            インド発祥のボードゲームです。

            よく、時間の感覚として、東洋人は、時間はらせん状に進むという感覚を持っていると言われています。ある点へ到達したら、また同じ時間が流れる。死んだらまた次の人生が始まり、また人は成長し、老いていき・・・・。西洋人は直線の時間軸を持っていると言われています。明確な始まりと終わりがあり、死んだら、天国か地獄へ行き、また始まる事はない。

            この「蛇と梯子」双六は、紀元前インダス文明の頃、ヒンズー教の、「輪廻転生」の教えを一枚のプレイ・ボードにしたことが発祥といわれています。梯子のマスに停まると梯子を登って上に進む事ができるのですが、蛇の頭のマスに停まると、シッポのマスまで、落ちてしまうのです。

            19世紀以降、世界中に広まったそうです。ボードゲーム大国ドイツにも、たくさん売っています。一度ドイツ人に、「振り出しに戻る」とか、「生まれ変わる」とか、そういった死生観について、尋ねてみたいと思っています。


            下は、私の作品です。
            私は何時の頃からか、蛇を描くことに取り付かれているのです。




            | 図形 | 20:58 | comments(4) | trackbacks(0) |
            あいまいな図解
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              昨日は、シャリテー病院敷地内にあるベルリン医学歴史博物館/Berliner Medizinhistorisches Museum der Charitéに行きました。(森鴎外が医学を学んだ学校だそうです)

              今回の展示は、日々どこかで発見される変死体、どのように扱われていくか、検死官たちの日常を、写真や現物、再現シーンなどでリアルに再現した内容です。

              常設展では、病気で亡くなった人の取り出された臓器が病気別に展示されています。

              また、医学の歴史として1700年代の手術道具も展示してありました。とてもしっかりしたハサミやクリップのようなものです。
              こんな時代から、体の隅々まで、きっちり把握し、記録していたのかと思うと、気が遠くなります。

              この事実を追求する、あいまいな所を残さない、という姿勢が、ドイツ人だなあと感じます。

              私はドイツ語を勉強し始めて、6ヶ月経ちました。
              ドイツ語は、主語、目的語、間接目的語をしっかり決めないと話せない仕組みになっています。簡単な文章でさえ、ある何か狭い範囲の物事をしっかりと思い浮かべて、表現しないといけません。
              個人的に出会うドイツ人が、決してかっちりしたあいまいさを許さない性質だというわけではないのですが、歴史的に流れているドイツ人の気質をところどころに見つける事ができます。


              西洋と日本の解剖図の違いもとても面白いので紹介します。(展示には関係ありませんが)


              『解剖学の体系』パドゥア、1651年。




              山脇東洋『蔵志』宝暦9年(1759)刊。

              日本における人体解剖は1754年、山脇東洋が京都で行ったのが最初とされているそうです。
              おそらくとても緊張感に満ちたものだったと思われますが、なぜかこの毛筆のタッチ、おおらかさを感じます。かっこいい現代のイラストレーションのようです。
              それに比べて、ドイツの大学で発刊された解剖図の細やかな描写!血管の一本一本まで番号がふられています。





              最後は私の毛筆を使って描いた図解です。おまけです。








              | 図形 | 04:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
              完璧な黒は存在するのか
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                私は学生の頃、染色デザインを専攻していました。何種類かの染料を何度も重ねあわせ、いろいろな色を作り上げます。「真っ黒」に染め上げる、というのはなかなか難しいものでした。布が乾くとなんとなくあせたように見えて、何度も染め重ねたものです。

                今は私はパソコンで画像を制作しています。私は手書きの時と同じように色を重ねあわせて、画像を制作します。「黒」に塗るのは簡単なことです。「Black100%」と指定すればいいのですから。

                でもそれは本当に黒いのでしょうか。
                モニタが何の光も発色していないだけです。

                黒は、すべての波長の光を吸収する色です。「真っ黒」と聞いた時の広大な、吸い込まれるような感じと比べると、とても消極的に思えます。

                「カーボンナノチューブ黒体」という全ての光を98%以上も吸収する物体があるそうです。どれだけ黒いか見てみたいものです。

                黒いと言えば「ブラックホール」。すべてのもの、光までも吸い込んでしまいますが、それすらも、100%の黒ではないと計算されたそうです。
                | 図形 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
                瞼の裏の映像から、知覚の仕組みを解く
                0


                  まぶたを閉じて、じっくり、まぶたの裏に映し出される映像を堪能したことはありますか。複雑な幾何学がつくりだすイメージは万華鏡を見ているような、不思議な気分になりませんか。

                  そのようなイメージは、脳の知覚のしくみ自体から発生しているのではないか。もともと知覚中枢の構造に内在するイメージなのではないか。そして、そのイメージは時として、科学の重大な発見の大きなヒントとなっているのではないか。スタンフォード大学のRoger N. Shepard教授はそんな仮定をたてて、研究しているそうです。

                  このアニメは、A New Kind of Science Explorerという、子供向けの科学ソフトで作りました。数値を入れると計算結果が視覚化されて見る事ができます。
                  まぶたの裏の映像と似ていると思いませんか。まぶたの映像には、何か、宇宙の真理を表す美しい方程式が隠されているのかもしれません。
                  | 図形 | 23:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
                  六次の隔たり
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                    この絵は2年前に出版された増田直紀さんの
                    「複雑ネットワーク」とは何か

                    の表紙の絵です。私の蛇がしっぽをかじっている絵ばかり入ったイラストファイルを編集者Oさんが、「これはネットワークだ!」と気に入ってくださったのです。

                    「複雑ネットワーク」とは何かというと、
                    人のネットワークはもちろん、あらゆるモノが「つながる」上での構造や仕組みを研究する学問です。人間関係、mixi、病気の感染、脳のニューロンなど。
                    ネットワークの仕組みの代表的なものが、「スモールワールド・ネットワーク」です。有名な話に、「六次の隔たり」があります。人は自分の知り合いを6人以上介すと世界中の人々と間接的な知り合いになれる、という説です。


                    日ごろ、漠然と感じていた「つながり」というものが、科学的に解析されていて、とてもおもしろいです。オススメの本です!
                    私は残念ながら、著者の増田直紀さんと知り合いではありません。感想文やファンレターを書きたいところですが、忙しそうなので、迷惑がられるかもしれません。誰か私を増田さんに紹介してくれないかなあ。
                    この本には、人との距離をはかる話も載っています。この本によると、私と増田さんは、共通の知り合い”編集者Oさん”を介して「距離2」でつながっているそうです。今、この文章を読んでいるあなたの増田さんとの距離は、”編集者Oさん”、”私(いち丸)”を介して「距離3」でつながっていることになります。
                    世の中、「スモールワールド・ネットワーク」であるらしいです。
                    | 図形 | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0) |
                    バウハウス風の衣装のデザイン
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                      | 図形 | 15:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
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